「1級と2級、どっちを取ればいいの？」「違いがよくわからない…」そんな風に悩んでいませんか？管工事の現場で働く皆さんなら一度は通る道でしょう。正直言って、この業界の資格制度は複雑すぎて、初心者にはハードルが高すぎる。でも大丈夫、今回は現場のリアルを交えながら、1級と2級の違いをズバッと解説していきます。

そもそも管工事施工管理技士って何者？

管工事施工管理技士は、給水・給湯設備、空調設備、吸気・排気ダクト、ガス配管設備、浄化槽などの管工事現場で専門工事業者や職人を管理し、施工管理の4大管理である「工程管理」「安全管理」「品質管理」「原価管理」を行う国家資格なんです。

要は現場の監督さんですね。水道管からエアコンのダクトまで、建物の血管や肺に相当する設備工事を仕切る人。地味に見えるかもしれませんが、この資格がないと現場の責任者になれないんです。

2級管工事施工管理技士：現場デビューの登竜門

まずは2級から話しましょう。2級管工事施工管理技士の第一次検定はマークシート方式で合格基準は60点以上、1問1点で問題数は40問なので、24問正解すれば合格となります。

「なんだ、6割取れば合格か」と思うかもしれませんが、甘く見ちゃダメ。機械工学、施工管理法、法規の3つの科目をしっかり理解していないと、意外とひっかかりますよ。

2級の受験資格と業務範囲

試験実施年度に満19歳以上であれば第一次検定は受験可能。ただし第二次検定は実務経験が必要になってきます。

2級合格者ができること：

• 一般建設業の専任技術者
• 建設工事における主任技術者
• 中小規模工事の現場監督

1級管工事施工管理技士：現場のエリート戦士

さて、本格的な現場のボスになりたいなら1級です。1級管工事施工管理技士の資格を取得すると、特定建設業の「営業所ごとに置く専任の技術者」及び現場に配置する「監理技術者」として認められます。

つまり、大きな工事現場でも責任者になれるということ。給料も当然アップしますし、転職市場でも引っ張りだこになれるわけです。

1級の受験資格：ここがネック

1級管工事施工管理技士の受験資格には最終学歴と実務経験の制限があり、指定学科の大学卒業資格を有している場合でも、3年以上の実務経験が必要で、実務経験が15年以上あれば、学歴を問わず受験可能です。

ただし、1年以上の指導監督的実務経験が必須要件なのが厄介なところ。「現場で部下を指導した経験が1年以上」という条件があるんです。これが意外と高いハードルになっている。

難易度の現実：数字で見る合格率

1級管工事施工管理技士における第一次検定と第二次検定のそれぞれの合格率は、年度によって幅がありますが、第二次検定の方が全体的な合格率は高めとなっています。

1級管工事施工管理技士の合格率は、第一次検定で30%〜50%前後、第二次検定では50%〜60%の合格率で、令和5年は、一次検定の合格率が37.5％、二次検定の合格率が62.1%でした。

一見すると合格率が高そうに見えますが、これにはカラクリがあります。受験者は実務経験を積んだ現場のプロたちなんです。つまり、ある程度の実力者同士の戦いでこの合格率ということ。決して楽な試験ではありません。

キャリアアップの戦略：どちらから攻めるべきか

正直言って、いきなり1級を狙うのは無謀です。まずは2級で基礎を固めて、実務経験を積みながら1級にステップアップするのが王道。

2級管工事施工管理技士の資格を取得すると、転職に有利になり、管工事の施工管理としての転職はもちろん、別の職種へ転職する際も有利になることが多いので、まずは2級から始めることをお勧めします。

転職市場での価値

• 2級保持者：中小企業での需要が高い、年収400-600万円レンジ
• 1級保持者：大手企業からの引き合いが多い、年収600-800万円レンジ

建設業界は慢性的な人手不足なので、資格を持っているだけで転職市場では圧倒的に有利になります。特に管工事は専門性が高いため、知見のある人材は貴重な存在なんです。

まとめ：現場で生きるための資格選択

各段階のポイントを整理すると：

2級管工事施工管理技士のポイント

• 19歳以上なら第一次検定受験可能で、現場デビューの登竜門的存在
• 一般建設業の専任技術者・主任技術者として活躍可能
• 転職に有利で中小規模工事の現場監督を担当できる

1級管工事施工管理技士のポイント

• 特定建設業の専任技術者・監理技術者として大規模工事を統括可能
• 厳しい受験資格（実務経験+指導監督経験）があるが、その分市場価値が高い
• 合格率は見た目より厳しく、実務経験者同士の競争となる

戦略的アプローチ

• まずは2級で基礎固めをして実務経験を積む段階的なキャリア形成が現実的
• 1級取得により大手企業への転職チャンスと年収アップが期待できる
• 建設業界の人手不足により、資格保持者の市場価値は今後も上昇傾向

結論として、現場で長く活躍したいなら段階的に両方取得するのがベスト。2級で現場に慣れ、実務経験を積んで1級にチャレンジ。これが現実的で確実なキャリアパスといえるでしょう。