RC造の配管で抑えておくといい事前検討項目はあるのかな?
という疑問にお答えします。
A:の配管の出(起点)の深さが深くなるから早めに下水本管と公共桝との勾配高さを検討しておくといいですということ
RC配管桝のふかさ気を付けたいこと
RCの施工管理を任されたんだけど。
3Dとると排水の起点のスリーブが深くなるし、
現況の公共汚水桝の深さが足りなくなりそうだけどどうしよ?
という方向けの記事となります。
本記事の内容
- RC造での排水の配管で気を付けたいこと
- 深さがどうにもならないとき
- 深さがどうにかなるとき
RC造での排水の配管で気を付けたいこと
関連記事です
3DやRCの構造についてこちらでも詳しく書いていますので見てみてください
結論「ふかさ」です。
深さ(≒自然流下での排水勾配を確保し下水道本管につなぐ)
理由「げすいのますを深くする工事を伴う」≒「おかねかかる」&「さいあくげすいのほんかん
のふかさがあさくてつながらない」≒「はいすいがながれないゲンバばくたん」だからです。
具体的には
RC(鉄筋の建物)だと起点が深くなるから、
公共汚水桝を深くする工事がよく行われることがある。
おーいもっと早くわからないかー
という本音もあるが、掘り下げて観察すると
いろいろな理由があるということが分かり非常に興味深い。
排水は自然勾配(ななめ下に落ちていく方向)で流下していく
ものだから、その一番上流の起点の菅が一番建物の外回りでは
浅くなる。
下水道のルールだとそれは管の上の部分と土の厚さ(土被り)で20センチ
必要ですよとなっている。
じゃあ20センチの深さがあればいいね、となるところだが、
当然管というのは外径、菅厚、内径、菅厚と円形が2つある断面から
構成されているので、通常内径φ100(ミリ)のもので
あれば20+10センチでおおよそ30センチの深さから
始めればいいとなる。
φ100の外径は正確にはφ114mm
で、話はもどるが、RCだと、フロアの仕上がり面(FLライン)えふえるらいん
というのがある。いわゆる、建物の床のこと、この高さの下に
スラブ面(スラブライン)SLなどという、コンクリートの躯体の部分
が床と並行にはしっている。
FLとSLの間にスペースがどのくらいあるかというのも大切で
ここを配管することを「スラブをころがす」などと言っている。
SLとFLに30センチ以上の隙間があれば、じゃあ建物から
外回りの1つ目の枡まで出せるね。
となるのだが、
ここでいくつかの問題があるケースが発生する。
1つめ
・SL=FLのケース
そのままだが、SLとFLがほぼ同じ高さだから配管スペースがないという場合がある、
これは都心部だけかわわからないが、建物の10m規制というものがある、
不動産的な話だが、たてものをこのエリアはこういう建物を建てていいですよという
用途地域と区分がある、第一種低層中高層住居専用とかなんとか、
まわりが戸建だらけにどどーんと大きいビルたてたら周りが迷惑しますからほどほどに
みたいなルールだ。
都心部の共同住宅だとそれでもがんばって?10mきりきりの建物を建てようとするケースが
ある。
部屋数を稼ぐためだろうが、そうすると天井までの高さを削ると住ごごちに影響するのか
床を削ってくるケースがある、そうすると
配管のスペースは1階の場合さらに下を
走る部分に配管する必要がある。
2つめ
・店舗物件の場合
店舗の建物で、業種や用途が決まっていない場合はSLとFLの間に300mmくらいのスペース
を貸す前に作っておきましょうねという場合である。
飲食店なのか、病院なのか、コンビニなのか、
決まってから、飲食なら厨房系、グリーストラップ、排気、
病院なら医療用ガス、笑気ガス、など、
スケルトン状態という貸す状態で既存の排水の配管はSLラインには配置しないようにしよう
という場合
3つめ
・基本的にSLとFLの間だとあまじまい雨仕舞が悪い
浅目に配管が出るということは外からの雨の影響を受けやすいということであり、
つば付き菅などの対策や、スパンシールなどの方法があるが、
防水処理はRCの貫通部では配管上苦労が多い部分だが、
それを浅いFLとSLの間で配管すれば、
最悪の場合水たまりができたり、SLラインに水が入ってきたりする
じゃあどうするの?という部分
その場合は、地中梁を通すことになります。
RCは段ボール型とテーブル型があるそうですが、
テーブル型≒ラーメン構造
段ボール型≒壁構造
簡単にいうと地中梁はテーブル型で言う
テーブルが1階の下にうまっているイメージです。
4本の脚が「柱」それを支える垂直の柱と柱をささえる
部分が「梁」
テーブルが「スラブ」
その埋まっている梁=>地中梁を抜く必要があります。
ただし、排水には話が戻りますが、勾配が必要なので
仮にφ100の配管を通すにはだいたい2つサイズ上の
菅を通します100、125、150と大きくなるので
φ100の配管のためにはφ150のスリーブが必要です。
スリーブの中に配管を行います。またその外側には縦筋横筋
斜め筋といった補強筋というのを入れます。
当然構造を担う部分に穴をあけて配管を行うので、
細かいルールがあります。
柱から1.5mはなしてね
とか梁の3分の1のスペースを確保してねとか
それぞれの配管は合計した貫通の径の平均の3倍以上
離してね梁貫通にはいろいろルールがあります。
問題は公共汚水桝の先の取付管の
先の下水道本管の深さが非常に重要です。
かりにその深さが浅いと最悪流れない、あれが流れない
建物となります。
こわすぎです。
回避するには事前の下水道管理者が管理する下水道本菅の深さを
把握し、既存の公共汚水位置と深さを施工図に落とすこととなります。
事前の調査段階では基礎伏せの図面が恐らくないケースが多いので、
完全は回避は難しいのが現状です。
当然外回りのルートにより排水勾配1%から2%を確保する必要がありますから。
既存の公ますの深さ位置は重要となります。
ルートによっては必要以上に深くする必要が出たり、配管スペースが無い場合もあるからです。
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